
お金に対する思い込みって?
世の中にはお金を貯めることが上手な人、お金を貯めることが下手な人。お金を貯めるのは上手だけれど自分へのご褒美でお金をパーッと使ってしまう人など、いろいろなお金の使い方をする人がいます。
そして、お金に対する価値観が合わない夫婦は高確率でモメます。
必要に応じて距離が取れる他人と違って、夫婦やパートナーとお金に関する価値観が合わないのはけっこう大変です。
私の場合は「お金があればあるだけ使ってしまう」くせに、物を買ったあとには毎回罪悪感や散財による後悔でモヤモヤするものの、また物が欲しくなる。
そのため「お金が貯まらない・貯金もできない」という典型的な浪費タイプでした。
「いったい何で自分はこんなお金の使い方をするのだろうか?」と考えた時に、
お金に対する考え方に原因があるのではないかと考えました。
この記事では、お金の使い方に絶大な影響を与えてしまうお金のビリーフについて解説しています。
- お金のビリーフとは?
- お金のビリーフが及ぼす影響
- お金に対する価値観はどこからくる?
- お金のビリーフを知るとお金とうまく付き合うことができるようになる
お金の使い方が下手
私がずっと悩んできたことに「お金の使い方が下手」という悩みがありました。
具体的には以下の3つ
- お金があればあるだけ使ってしまう、なくても良い物にお金を使う浪費散財
- お金を貯めることができない、貯金の仕方が分からない
- 正当な報酬にもかかわらずお金を受け取ることが苦手
「あればあるだけお金を使う」ので、当然お金が貯まりません。こんな状態は「お金の使い方が上手」とは言えないでしょう。
お金のビリーフとは?
貯金を始めてから、自分のお金の使い方に「クセ」があることに気づきました。
これは、心理学では「ビリーフ」と呼ばれています。
ビリーフとは、信念や思い込み、固定観念などを意味しています。
最近は幼少期からの「お金」に関する教育が盛んになってきていますが、
幼少期の頃から「お金の使い方を誰かから教わる」という経験をして大人になったという方は私と同年代の中ではまだまだ少なく感じます。
実際に、文部省が定めている「学校指導要領」が改訂されたことに基づいて、2020年4月から「子どもの金融教育」が開始されました。
この改定で、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から、高校では2022年度から「金融教育」が既存の科目の中に組み込まれるようになりました。
そのため「金融教育」が学校教育に盛り込まれる以前は、学校などで「お金」に対する「使い方や知識」を学ぶ機会は現在に比べて少なかった現状があったと思います。
では、今現在の自分のお金の使い方は誰から習ったものなのでしょうか?
「今現在の自分のお金の使い方」には少なからず「幼少期のから今までの経験」が影響しています。
これを「お金のビリーフ=お金に対しての思い込みや考え方」と言います。
お金のビリーフが与える影響
お金のビリーフは、私たちのお金の使い方に絶大な影響を与えます。
その原因となるものが、お金に対する思い込みです。
例えば、私が抱えていた「お金をあるだけ使ってしまう」という悩みの根源には
「お金を持つことへの罪悪感」がありました。
元々私には「質素に生きること」「つつましく生きること」は良い事、そして「贅沢」は悪い事という価値観がありました。
つまり、私のお金の使い方は「良いか悪いか」が基準だったのです。
私の父と母と家族を例に挙げてみたいと思います。
お金に関する価値観 | |
父 | 母 |
お金の使い方 | |
・物を買わない ・自分以外の物や人にかかる出費が嫌 ・親戚や会社関係の人には極端な金額をポンと出す | ・欲しい物や必要な物高くてもは買う ・欲しいと思ったものは比較的すぐ買う ・人のためにお金を使う |
お金に対する価値観 | |
・無駄使いは悪い事である ・努力している人や頑張っている人に(その報酬として)お金が与えられるべきである | ・お金は回る物で、使ってこそ意味がある ・子供や人に喜んでもらうためにお金はある ・お金がなくても何とかなる |
こうして並べてみると、お金の使い方に関しては正反対の価値観の両親だったと思います。
冒頭でも書いた通り、お金に対する価値観が合わない夫婦は高確率でモメます。
父と母は、きっとお互いのお金の使い方にお互いに不満が溜まっていたことと思います。



実際に家の雰囲気も…(お察しください)
次に、浪費癖がひどかった時の私のお金の使い方を見てみます。
お金に関する価値観 | |
お金の使い方 | |
・欲しいと思ったものはすぐ買う ・大切な人や物のためにはお金を使う ・買う前に必要かどうかはあまり考えない | |
お金に対する価値観 | |
・無駄使いは悪い事である ・必要な物は高くても買うべきである ・お金は使ってこそ意味がある ・お金がなくても何とかなる |
この表を見ると、私のお金の使い方は両親のお金の使い方の影響を少なからず受けているのが分かります。
私の場合は、人や物に極端なお金をケチるようなお金の使い方が嫌でした。
そう考えると、少なからず「自分が大切だと思う人や物にはお金を使うべき」という固定観念があったのかもしれません。
例えば、「お金を持つことは悪いこと」という思い込みを持っている人がいたとします。
「お金をたくさん持つことは悪いこと」「贅沢は悪」という価値観を持っている場合に、お金をたくさん得る状況になってしまったとしたら。
その人にとっては「お金をたくさん持つこと=悪いこと」であるので、「お金を使ってなくしてしまおう」という心理が働くはずです。
私のように、こういったお金のビリーフ(固定観念)に囚われていると、お金を貯めることはおろか、
本当の意味で自分のためにお金を使うことができなくなります。
自分に対する自信のなさはお金の使い方に影響する
私はずっと自分に対して自信がありませんでした。この考えは、お金の使い方にも表れていて、
私の場合は
- 自分にはお金を稼ぐ能力がない
- 自分はお金をかけてもらう価値がない
- そのためお金を受け取ってはいけない
だから、自分にはお金を(得たり)持ったりしてはいけないとずっと思っていました。
これが自分の生活に何も影響がないなら良いのですが、
自分で自分の評価を下げてしまうと「お金を持つこと」や「お金を稼ぐこと」に罪悪感を感じるようになってきてしまいます。
こんな状態では「お金を持つこと」も「お金を使うこと」も難しくなってしまうでしょう。
お金のビリーフを知るとお金とうまく付き合うことができるようになる
お金のビリーフを知ることは、お金とうまく付き合うことの手助けになってくれます。
そのためには、以下のようなことを実践するのがおすすめ◎
- お金に対する思い込みを知る
- 自分の気持ちに従う
お金に対する思い込みを知る
自分自身のお金に対する思い込みを知る
ということは、自分と向き合うことにつながります。例えば、幼少期の自分自身や周りの人のお金の使い方を思い出してみてください。
例えば、自分でお金を使えなかった子供時代なら以下のようなことを思い出してみてください。
- 親が心良くお金を出してくれたものは何か?
- 反対にお金を出してもらえなかったものは?
- 親のお金の使い方はどうだったか?
先ほど挙げた私の両親の例では、父は学校で必要な物やテキストなどはお金を出してくれましたが、旅行や娯楽などにはお金を出してくれませんでした。反対に、母はよく旅行やプレゼントなどでお金を使っていました。
お金の使い方で喧嘩になる父と母をずっと見てきたので、私は無意識に「無駄使いは悪いこと」とずっと思ってきました。
しかし、何が無駄で何が大切かということは、人それぞれ違って良いはずです。
そういったことを紐解いていくと、もしかしたらどこかで
今現在の自分のお金の使い方に影響している!
という気づきや発見があるかもしれません。
自分の気持ちに従う
お金をうまく使うようになるためには、「人の価値観でお金を使うこと」をやめる必要があります。
先ほど挙げたように、私はずっとお金に対してこのような固定観念がありました。
- 質素に生きることは良いこと
- それ相応の努力をせずにお金を使うことは悪いこと
- 贅沢は悪いこと
しかし、私の場合これは「親の価値観」であって、自分の価値観ではありません。



大人になれば自分が何にお金を使うかを決めるのは自分です
自分が好きなこと、やりたいことなど大切な物や必要なものに対して
「自分の意思で決めて使うお金」に対しては「人の価値観で使ったお金」よりは後悔が少ないはずです。



考えて買った商品でも、やっぱりあっちを買えば良かった~!っていうまた別の後悔はありますが
まとめ
この記事では、お金に対する固定観念である「お金のビリーフ」について解説しました。
「人のお金の使い方にモヤモヤ」するという場合もこういったお金のビリーフが関係していることもあります。
「お金の使い方」や「パートナーや夫婦でお金の使い方でモメる」ことがある人や悩んでいる人は参考にしてみてください
それでは
参考にした本はこちら