この記事では、貯金が0になってしまった時の話を書きます。
買い物が好きで貯金ができず、「買う」ことが楽しくて買い物を繰り返す…そしてそんな自身のお金の使い方に対して疑問を持つことができない。
当然ですが、そんな生活を繰り返していけば次第にお金は無くなっていきます。
普通であればお金が無くなってしまう前に「このままではやばい」と思いとどまることができそうな話ですが、世の中には「お金が無くなっても買い物がやめられない」「娯楽費や趣味のたまに借金をしてしまう」という人もいます。
この記事では、なぜ、私が貯金がなくなるまでお金を使うことをやめられなかったのか?といった部分を中心に、当時の経験を書いてみようと思います。
- 貯金が0になった時の話
- なぜ、貯金がなくなるまでお金を使うことをやめられなかったのか?
- 自分のお金は誰のため?
- 貯金が0になって気づいたこと
そもそも貯金がない人の割合は?
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、世帯構成別の貯金なし(金融資産非保有)の世帯の割合は、全年代平均で二人以上世帯が24.7%、単身世帯が36.0%でした。
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
単身世帯では2~3割の人が「貯金がない」という状態で、年齢別に見ても単身世帯の20代では約43.9%程の人が「貯金はない」と回答しています。
二人以上世帯と単身世帯全体で見ると2~3割は貯金がないと答えている一方で、残りの7~8割はちゃんと貯金をしているということが言えます。
貯金が0になった時の話
当時の手取りは20万円程、当時家賃はかからない状態だったにも関わらず貯金は0。
その理由は単純に、収入以上にお金を使っていたからです。
しかし、当時は自分の貯蓄状況にあまり危機感を感じてはいませんでした。
その理由の一つが、
日本では、お金の話は避けられる傾向にあること
ということがあったと思います。日常生活でお金の話をすることが少ないので、問題に気づきにくい状況だったんだと思います。
実は借金やお金に困っている状態であっても外からは分かりにくいですよね
先ほど紹介した統計は日本のものですが、日本では比較的堅実な性格の人が多いことや将来の不安に備えるために貯金の習慣がある人も多いと思います。しかし、場所が違えば考え方や価値観は様々。
私が海外に住んでいた時の話で恐縮ですが、当時銀行に預けていた預金額を日本円にして10万円ほど引き出そうとしたことがありました。すると、
引き出す金額が多すぎるので、書類での手続きが必要
との指示を受けました。身分証明書や引き出し金額などを書いて提出し、お金を引き出すことができたのですが、
え?10万円引き出すのにわざわざ書類を書かないといけないの?!
と、驚きました。理由を聞いてみると以下のような回答をされました。
(この国では)ほとんどの人の貯金額が10万円以下(だから10万円は大金)
日本のATMの感覚からすると驚き
この話を当時の会社の同僚やオーナーに話すと、国民性の違いや何にお金を使うかといった価値観の話で盛り上がったのを覚えています。
実際に、少し古いですがBBCのニュース「Millions have less than £100 in savings, study finds」で、イギリスに暮らす約4,800万人の成人の内の約1,600万人以上の人の貯金額が100ポンド(現在のレートで約1万9000円)以下であったことが分かったというニュースも見たことがあります。
そんな話を聞いたりしていたので、当時は余計に「貯金をしないこと」に対して特に不安や危機感を感じにくい状態になってしまっていました。
安易に人と比べて安心していました。
- かわいい雑貨やコスメが大好き
- 休みの日はどう過ごしていいか分からないので買い物に行く
- お金を使うことがやめられない
お給料が入るとすぐに使ってしまい、いつもお金がない状態。
しかし、働いている限りはお給料がもらえるため、当時の自分の状況をあまり深刻に捉えてはいませんでした。
そしてその後、転職を機に生活環境が一変しました。
当時転職をしたものの、私は仕事が見つからなかったため、
当時住んでいたアパートのお金を払い続けることが無理だと判断し、引っ越しをすることに
貯金を切り崩して生活している状態にも関わらず、お金の使い方は働いていた時と同じ…
そんな生活をしていてはお金がなくなるのは当然です。
お金がないと、最悪以下のようなことが起こります。
- 賃貸の料金を払えない(住む場所がなくなる)
- 電気・ガス・水道など生活に必要なライフラインが止まる(生活ができない)
- 友人の冠婚葬祭の費用などももちろん出せない(社会的なつながりがなくなる)
今までどこか「他人事」だった生活の危機に瀕して初めて、「日々の生活が成り立たなくなること」への恐怖や不安を感じました。
自分のお金の使い方や自分と向き合うことの大切さを痛感したのです。そして、
自分自身が「お金」というものに対して無知である
ということに気づきました。
なぜ、貯金がなくなるまでお金を使うことをやめられなかったのか?
貯金が0になってしまった当時は、ファストファッションにハマり、
安い物を大量に買い、大量に消費するというようなお金の使い方をしていました。
なぜお金がなくなるまで買うことをやめられなかったのか?
その当時は、私が買い物をする理由に以下のような理由が存在していました。
- 毎日目にする広告や消費主義の影響
- 人と比べて見劣りしたくないという気持ち
- 買い物はストレス発散や現実逃避の手段
本来であれば必要な物を買うための買い物が、お金を使うことの高揚感やストレス解消のための手段になってしまっていました。
買い物をする理由が、必要な物を買うことではなく「お金を使うこと、物を買うこと」が目的になり、買い物依存のような状態になっていたと思います。
物を買う理由も「広告で見てかわいいと思ったから」「店頭で見て」等といった、安易な理由がほとんどでした。
日本は資本主義社会なので、基本的に企業や会社は利益を目的として生産活動を行う経済制度になっています。
日々目にする広告や流行などに晒されている私たちは、自分でお金の管理を意識しなければ、容易にお金を失ってしまうでしょう。
他人の価値観にお金を使うことは沼
買い物に限らず、お金を使うことがやめられないという話はよく聞きます。
時代によって名前や形態は変わっていくと思いますが、推し活やゲームの課金、共通の趣味など、
場合によっては借金をしてしまうまで、特定の何かにお金を使ってしまうことがやめられないためです。
周りから見ると何でこんなものにこんなにのめり込むの?
といったように見えるその理由は、
自分よりも物や他人を大切にしてしまう価値観や競争心
に原因があると思っています。
- 人に認められたい
- 褒められたい
- 自分を見て欲しい
- 人よりも良いアイテムが欲しい
- ゲームに勝ちたい
そういった価値観で生きていると、理性よりも「その場の欲求」のために動いてしまうような行動が多くなるように感じます。
そして、大抵の場合「人に(良く思われたい・認めてほしい・勝ちたい)といったことのために使うお金には果てがありません」
そして、(対象に)お金を使えば使うほど、引き返すことが難しくなります。
貯金が0になって気づいたこと
私は、自分の貯金が0になり、
「お金というものに対して知識を身につける必要があること」
「人の価値観で生きていたこと」
「自分よりも他人や物に自分のお金も時間も消費して生きていたこと」
に気づきました。
この世の中でお金の知識がないまま生きていくことは、防具なしでいきなりRPGのラスボスに挑むようなもの。
自分のお金の使い方を客観的に見る視点
というものは、日々の生活の中では意識しにくい部分ですが、一度立ち止まって考えることがとても大切なことだと思います。
まとめ
この記事では「買い物依存になりかけて貯金が0になってしまった時の話」を書きました。
当時の状況は精神的にもボロボロで、先が見えない状況でした。
「お金がない」という状況は精神的にも不安定になり、夫婦喧嘩や場当たり的な行動の原因にもなってしまいます。
私の場合は、そんな生活を変えてくれたのが「物を減らすこと」でした。
私のような例は山ほどいて、お金との付き合い方に悩んでいる人も多いのではないかと思います。
それでは